2020年03月22日

本線の牙城

札沼線と函館本線は石狩川を隔てて
それぞれ札幌駅から新十津川駅(石狩沼田駅)や滝川駅(旭川駅)へと
線路が延びているものの
片や浦臼駅以東は1日1本のみに絞られ、
北海道医療大学駅を境に2020年5月に廃線を迎える区間を持っているのに対して
優等列車がコンスタントに行き交う大動脈を今も成しているというように
非常に同じ石狩平野を舞台にしてはいても大きく置かれている状況が異なる。
札沼線遠征編2020
滝川駅は函館本線と寸断されているとはいえ根室本線が乗り入れていて
今日も1日1往復の貨物列車の設定がある。

各路線やそれぞれの駅からの貨物輸送はほぼ過去のものとなりつつも
大量輸送の条件を満たすと
まだまだ、むしろこれからも
世の中は鉄道の貨物輸送の恩恵や利点を必要としている。

旅客もまた同じことで個々の都市の人口や利用者の積み重ねが
大量輸送を必要とする条件を満たすと
一方で廃線の危機やそれを目の前にすることがあれども、
社会的インフラとしての絶大な効力を発揮することになる。

札沼線は地方交通線に対して対岸の函館本線は主要幹線。
沿線には旭川市を皮切りに深川市、ここ滝川市、
さらに砂川市、美唄市、岩見沢市と優等列車の停車駅だけを抜粋しても
人口減にいずれも傾いてはいても、
相応の人口を抱えていて、
札幌駅を中心とした市街までの移動距離は
モータリゼーションの進展とインフラ整備が進んでも
鉄道をはじめとした公共交通を必要としている。

加えて軍事的な目的から国家を牽引する産業を担ってきた地域と
その交通網は本線である
函館本線を中心に派生してきているというところにも
大きな特徴があると思われる。

石炭も芦別、赤平、歌志内、幾春別、万字など
鉱山で栄えた地域はどういうわけかみんな石狩川左岸に位置していて
ことごとく函館本線と接続を果たしている。
大量輸送を必要としているから複線で電化をしてある。
札沼線遠征編2020
2020年1月28日、思いがけないアクシデントで
JR北海道の現場の方がポイント切り替えに奔走していたため
停車時間が大幅に拡大されることになって
滝川駅から特急「ライラック18号」に乗車することができた。

789系、元・スーパー白鳥で活躍していた6両編成。
これと「カムイ」が1時間もしくは30分に1本の設定で
札幌駅から旭川駅までの主要都市を高速で結んでいる。

非常にこの区間は平地部で高速道路や国道も走行条件が良好で
加えて札幌駅へと結ぶ高速バス網が絶大な威力を発揮している
競争の激戦区になっている。

この789系「ライラック」の登場によって
グリーン車が増結されるようになったものの、
基本的にはモノクラス編成中心で
速達性と定時制が利用者にとって鉄道を選択肢にする条件のようだ。

一本の列車設定で北海道中央バスが運行している高速バスの
あさひかわ号、たきかわ号、いわみざわ号の
それぞれのバスのキャパシティ分の乗客を
一括で運ぶことができるのがこの優等列車の強み。
いずれも高速バスは15〜60分に1本で運行。
札幌駅を中心とした磁場の強さが非常に浮き彫りになっている。
空知遠征編2020
車内も青函トンネルに絡んだものを取り外して
テーブル裏手にあたるステッカーが変わったのを除けば
「スーパー白鳥」時代そのままだ。
2000年代初頭に東北新幹線八戸駅延伸を掲示に新製された車両なので
北海道新幹線開通を契機にその陣容を追いやるのには
まだ車歴が浅いこともあり、
電化区間であるこちらへと活躍の場所を移している。
お互いその間にそれなりに年をとって
相応に有限であることを確実に意識するようになっているとはいえ。

車両両端部の座席は一通り埋まっている状況にあるのが
ほぼ日常的な光景にあるらしい。
この区間、乗車する場面はいずれもそういうところであるし、
実際にこまめに乗車されている方も
そのように仰っていたからそうなのだと思う。

普通列車は岩見沢駅以西から一気に移動手段としての需要が落ちる。
通学手段としての役割が濃い。
空知遠征編2020
11:18、滝川駅5番線ホームから走り出した列車は
貨物ターミナルの脇から住宅地を左にカーブして
国道451号を潜って程なく空知川を渡っていく。

石狩川へと注ぎ込んでいく空知川。
流域には根室本線が敷設されていて
赤平市や芦別市といった石炭産業で栄えた街が位置している。

空知川を渡って林をかけ向け、国道12号の下をくぐり
以後はこれを左手に並走する。
国道12号は30km弱のロングストレートを抱えている区間。
雪原から林に入り、ペンケウタシナイ川を渡る。
これも上流部に鉱山を有していた歌志内市が控えている河川。
村中製作所や給食センターを過ぎて市街へと入っていくと
11:23、砂川パークホテルのもと、砂川駅に停車。
今日は接続路線はないけれども
上砂川と歌志内の鉱山へと線路が延びていた主要駅。
札幌駅までほぼ降車はないことは念頭に置いていた通りだった。

ショッピングプラザアイアイをあとに道道115号を潜り
住宅地を疾走すると林が延びてきて
ホーマックを通り過ぎ、
三井化学の工場を控えて豊沼駅を駆け抜ける。
そして豊沼奈井江川を渡って林から変電所のもとに向かい、
さらに林を進み、道道114号を潜り、
引き続き国道12号との並走が展開され、
住宅地にさしかかり、農業倉庫の脇から奈井江駅を通過。
コンチェルトホールや北海道クボタと砂子組を経て雪原を進んでいく。
北央共立販売の先で林を抜けたところで
JAのライスターミナルが見え、やがて農業倉庫のもとから茶志内駅へ。

瞬く間に通り過ぎ、やがてらいす工房美唄の先に
トヨタカローラ、パチンコハビン、花田病院が相次いであらわれ
ここもまた農業倉庫と駐輪場のもとから11:34、美唄駅に停車する。
やっぱり乗車ばかりで札幌駅が近づくにつれて
混雑度を増していくだけという特化した流れになっている。
鉱山への線路が延びていた駅。

ホテルビジコーや常願寺、美瑛尚栄高をあとにして美唄川を渡り、
イエローハットに美唄自動車教習所を通り過ぎた後、
国道12号へと右にカーブして
これを潜り抜けて光珠内駅を駆け抜ける。
直線道路は終わりながらもなおも国道12号との道のりを辿る。
空知遠征編2020
ひたすらに雪原を進んでいく一方、岩見沢市に入り、
国道12号沿いには民家が並んで峰延駅を通過して
丸紅と昭和シェルのガソリンスタンドを過ぎたところで
国道12号が次第に離れていき、そちらにイオンがそびえ立ち、
列車はそんな中で幾春別川を渡っていく。
積水化学や王子チヨダコンテナ、三幸社フィルムサプライを通り
スーパー.ビッグの前に出ると
武蔵商事の倉庫やアパートが並んできて
イベントホール赤レンガのそばから
11:43、であえーるを控え岩見沢駅4番線に列車は滑り込む。
ここで下車。
Kitacaエリアに入るように
普通列車の本数が30分に1本間隔で増えるとはいえ
特急列車を選択肢にされる方がいらっしゃり
入れ替わってホームに降りる。
空知遠征編2020
札幌駅へと走っていく789系ライラックを見送っていくところ。
空知遠征編2020
岩見沢駅は3面5線の駅構造で
室蘭本線と函館本線という2つの石炭産業を担い
なおかつ各港湾へと輸送していく大動脈が合流する地点なので
岩見沢運転所を抱えるなど非常に大きな構内を持っていて
その規模が隆盛ぶりを今日に伝えている。

3・4番線ホームには国鉄時代からの木彫りの農業用馬が
往来する列車を変わらずに見守っている。
ばんえい競馬の馬主会から馬具などは寄贈されたもの。

左に見える駅舎はグッドデザイン賞の評価を受けている。
空知遠征編2020
その岩見沢駅駅舎を南口から撮影したところ。
典型的な貨客分離の駅構造になっていて
これを中心に市街が区割りとともに組み立てられている。
取り扱いの貨物とそれに関わる鉄道施設の存在が広大な敷地を必要としていた。
だから旅客と貨物の棲み分けによって市街は大きく分かれる事につながっていて
今日においても影響が色濃く残っている。

3階建てになっていて煉瓦を基調に窓枠には線路が採用されていて
21世紀に建設された駅舎ながら
先達が築き上げた文化に非常に敬意を示していることが
大きく評価を受けている背景にあり、
こういう先例を受けて苗穂駅の駅舎の移転新設をJR北海道は手掛けている。

1階部分には岩見沢農園、セブンイレブン北海道ST、観光案内所が入っていて
観光案内所では岩見沢駅が駅弁取り扱い駅だった頃の駅弁が復刻され
名産品の販売とともに店頭に並んでいた。
2階部分はセンターホールと市民ギャラリーとなっていて
ガラス張りで採光にも優れており
お昼どきということもあるけれども
ベンチでごはんを食べている方がチラホラと見受けられた。
そういう見物をしている自分も例外ではなく
それを目論んでいたわけだけれども。
空知遠征編2020
ロータリーを前にそびえ立つシンボルツリーはメタセコイア。
石炭の木と呼ばれるもので
やはり地域を牽引してきた産業と
それとともに営まれてきた街を代表するに相応しい木だ。

奥に見えるシェルターを持つロータリーとは別に
近接する交流センターにバスターミナルが併設されていて
石狩月形駅へと結ぶ便をはじめとした
北海道中央バスの路線バスはそちらから出発着する。
空知遠征編2020
岩見沢駅の広い構内が大きく市街を分ける構造になっているので
これを結ぶべく自由通路が設けられており
そちらから岩見沢運転所を撮影したところ。
現在も運転系統が大きく分かれる駅であり、
留置されている列車もあれども
それでもなおも持て余してしまうほどの規模。
空知遠征編2020
しかも歴史は古く手宮工場の支所だったという
岩見沢レールセンターは近代化産業遺産になっていて
建物は明治32年につくられたもの。
北海道炭礦鉄道の紋章が入っている。
なおかつ現役の施設で北海道の線路は全部ここで加工しているらしい。
空知遠征編2020
北口のロータリーからレールセンターの全容を見ているところ。
この施設の規模だけでもかなりのものだから
その重要性たるや推して知るべし。
構内もこれだけの広さを持つのは
ある意味必然的なものだったのかもしれない。
空知遠征編2020
同じく北口側にある岩見沢運転所の建物を撮影したもの。
空知遠征編2020
6両編成の721系が多く留置されている中で
一両だけぽつんと留置されていた気動車キハ40-1767.
これがこれから乗車していく列車になる。
空知遠征編2020
ホームへと入線してくる列車を迎え入れるべく
跨線橋から1番線に向かっていく。
コンタクトを図るのは12:52発苫小牧駅行きの普通列車。
1本前は9:03発。これが3本目の列車になる。
空知遠征編2020
ようやくここで室蘭本線、岩見沢駅〜追分駅間の未踏区間へ。
鉄道はみんなの足 支えよう鉄路 
みんなで乗って鉄路を守ろう!のポスターが階段のもとに掲出されていた。
優等列車が走る長万部駅・室蘭駅〜苫小牧駅間と異なり、
苫小牧駅〜岩見沢駅間の室蘭本線は
石炭時代の隆盛は今や昔、
年間12億円の赤字を生んでいる区間になっている。
それでも本州へと向かう貨物列車は札幌貨物ターミナルに向かうと
方向転換をする必要があるので
こちらを経由するなどなおも然るべき役割があるのも
確かなことなのだけれども。

つづく
※ちなみに林が延びてきて、という林はほとんど鉄道林を指している。
平地部を走っていくと風の影響を受けやすいので
これを防ぐための措置であって、あくまでも石狩平野を辿ってきた。
posted by 小林 慶太 at 23:58| 千葉 ☁| Comment(0) | 旅行編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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