2020年03月21日

嗚呼ライラック

札沼線遠征編2020
2020年1月29日、一日1本しかない新十津川駅にやってきた。
13年ぶり。当時は午前、お昼ごろ、そして夜に3本の列車設定があった。

現在はその午前の列車だけに絞り込まれており、
少しでも滞在時間を長くしてもらうように
折り返し列車の出発時刻が9:40だったものが10:00に変わっており、
観光案内所をはじめ、限られた時間であっても
来訪者に対して積極的なアクションを起こしている。

その一つ、
とつかわこめぞーと駅長犬ララとともにキハ40‐400番台の顔出しパネルが
日本一早い最終列車が出発する終着駅として来訪者を出迎えている。
キハ40‐400番台は札沼線非電化区間の専用で2両しかない。
ディフォルメされてはいても、そういう部分にまでさりげなくこだわってる。

日常の交通機関としては一本しかなくなってしまった段階で
事実上は意味をなさないに等しくとも
その稀少性から駅や街の認知度には格段の貢献をしている。

ここから滝川駅へと歩いていくことに。
前回は新滝橋から石狩川をわたってこちらにコンタクトを果たしたので
金滴醸造などが沿道にある石狩川橋から滝川駅に向かうことにした。
札沼線遠征編2020
空知中央病院の足もとに位置している新十津川駅。
1日1本しか来ないことから注目を浴びるようになったとはいえ
列車で来る人はすぐに折り返していく人や
そのタイミングに合わせてやってくる方が多いようで
そのわずかばかりの滞在時間であっても
受け皿となるものを用意して
おカネを落としてもらったり、
見聞を広めてもらうように試みがなされるようになっていた。

観光協会による「しんとつかわ駅市」。
営業時間は9:00〜10:30までという
実にその列車が来る時間の前後に幅を持たせた特化したもの。

終着駅に因んだ新十津川町のおコメを原料にしたおまんじゅうは
何と前日訪ねた道の駅夕張めろーどに入居されている
阿部菓子舗が手掛けていらっしゃったのでビックリした。
買ってもらえる商品を製品化するのにあたって
ネットワークを駆使されているようだった。
札沼線遠征編2020
こちらの喫茶店「寺子屋」も
看板の一番最初に鉄道グッズの文字が出ているように
その充実ぶりもさることながら
営業時間はこちらも9:00〜10:30までと
1日1本の列車に照準が合わせているのは歴然としていた。
おまけに自動販売機も札沼線キハ40-400番台だ。
札沼線遠征編2020
駅から正面のメインストリートには
第一興産LPガス充填所とともにJAピンネの農業倉庫。
旅客以上に農作物を主に貨物の果たしてきた役割の大きさと
これを中心に鉄道と駅が都市基盤に組み込まれてきたことが伺える。

13年前は奥の手を使って出発間近の列車が待っている駅へと
コンタクトを果たしたので
実はメインストリートを辿るのはこれが初めてだったりする。
札沼線遠征編2020
国道275号との交差点の先にそびえ立っているのが新十津川町役場。
町のシンボルは母村である十津川村と同じもので
新築住宅と中古住宅の購入に
それぞれ助成金が出ることを告知する垂れ幕が下がっていた。
移住定住を呼びかけるのは何処も同じだ。

庁舎は滝川消防署の新十津川支所を併設しており、
奥にみえる幕を張った足場のもとで建て替えを行っている最中。

ここから札幌駅までの高速バスしんとつかわ号が1日1本、
滝川駅を経て滝の川団地までを結ぶ路線バスが
それぞれ北海道中央橋によって
ほぼ1時間に1本設定されているほか、
浦臼駅から滝川駅へと結ぶ便と
ふるさと公園を巡回して滝川駅に結ぶ便が沿道に
それぞれ停留所を設けており、
圧倒的に札沼線を利用しなければならない絶対的な理由は既にない。

道路網の整備、モータリゼーションの進展があれば
同じ鉄道駅であれば函館本線の駅である
滝川駅に向かうというのが自ずと必然的な流れなのだろう。
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役場に設置されている観光案内図。
町は滝川市街へと石狩川に架かる国道451号の2本の橋で結ばれていて
この道路が市街のタテ軸を形成しており
それに対して札沼線と並行する国道275号が横軸を成している。
地図はふるさと公園近辺を拡大しており
こちらで紹介されている宿泊施設はいずれもこの周辺に集中。
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やってきた日はしんとつかわ雪まつり開催から2日後のことだったので
総合福祉センターゆめりあ向かいの北中央公園には
その会場のメインステージだったと思われる舞台に
札沼線のキハ40-400番台の石像がそびえ立ち、
敷地内には同じく雪でつくられた巨大なすべり台があって
平日ながら小学生が先生と思われる方の立会いの下で
遊んでいる光景が見受けられた。

いたるところで400番台にこだわられているキハ40。
札沼線専用で2両しかないからだとはいえ
すごく強調されていることのは恐れ入るものある。

石像やすべり台を主に制作されたのは陸上自衛隊滝川駐屯地の方々。
さっぽろ雪まつりの雪像が精巧になった所以は
その陸上自衛隊の方が参加されたところにあるといわれるので
これもまた例外ではないことを伺わせる。
札沼線遠征編2020
国道275号を歩いていくと
左に見えてくるのが往来する交通、
もちろん自動車を対象にしていると思われる物産館である
食路楽(くじら)館だ。

こちらは列車の出発着と関係なく10:00〜17:30の営業時間。
駅市でも取り扱っていたお土産物に加えて
おコメやトマト、金滴の加工品などが並んでいて
普通に奈良県の十津川村の工芸品も
それとともに販売がなされていたり、
レストランではめはりずしがメニューに入っていたりするなど、
ルーツとの関わり合いを可視的な部分で判断しているところであるとはいえ
非常に大事にされているようだった。

建物がクジラをモチーフにしているのは化石が採れたからだとか。
札沼線遠征編2020
徳富川に架かっている新十津川橋を渡っていく。
札沼線の駅名に見受けられる徳富はこの川に因んでいるらしい。
石狩川に注いでいく河川。
札沼線遠征編2020
道なりに進んでいくとみどり団地へと出て、
セイコーマートや橋本郵便局を過ぎ、
石狩川橋をそばにしたところに大きな蔵を構えているのが金滴醸造。
明治期創業の造り酒屋。
札沼線遠征編2020
交差点から正面へとまわり込んでみているところ。

美味しいおコメとキレイなお水という条件を揃えないと
日本酒というのは醸造に向かないので
これを兼ね揃えている土地でそれを手がけている事業者があるというのは
やはり特筆すべきことなのではないかと。

日本の醸造業は清酒に限らず産業ならず文化としても非常に奥が深い。
札沼線遠征編2020
今度は石狩川を渡っていくことに。
石狩川橋は1963年からのもので橋供養を行って今日の橋に至っている。
土木建築の向上が対岸との往来を密にするのとともに
石狩川を挟んで敷設されていた札沼線と函館本線の
それぞれの絶対的な存在理由が変容を遂げたのも確かだ。
札沼線遠征編2020
非常に冬期に歩いて渡っていく人というのは極めて稀なようで
行き違う自動車からはすごく特異な目で見られていた気がしないでもない。

北海道最大の河川・石狩川。
先ほどの徳富川をはじめ多くの河川が注ぎ込み
穀倉地帯である石狩平野を成す一方、
流域の人びとは災害とも対峙をしてきた。
幅広い河川敷のみならず、平地部が意味するものは
そういうところにあるわけで
都合のいい場面に上機嫌でいるのは前回とまた変わらないものだったりする。

対岸からは滝川市に入る。人口は4万人くらい。
ファイターズスタジアムでホームランが出た時に
ジンギスカンのプレゼントをして下さる松尾ジンギスカンは
こちらの街が本拠地だ。
札沼線遠征編2020
滝川西高のそばから銀河団地やサッポロドラッグを通って
「西松」停留所に出た後、
アンダーパスで函館本線を潜っていく。
北海道内において国道が踏切で鉄道と交差する箇所は1箇所しかなく
ほかはいずれもアンダーパスやオーバーパスで交差する構造になっている。
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やがてスマイルビルのもとへ。
ダイソーや数研知能塾などが入っている。
看板や建物がずいぶんとシンプルなものになってしまっていた。
札沼線遠征編2020
向かいのビルはバスターミナルに代わって
たきかわ観光国際スクエアへとなり、文字通り観光案内の窓口に。
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それとともに新たなバスターミナルが整備され
ここを拠点にバスが往来する光景が日常のものになっていた。
札沼線遠征編2020
北海道中央バスの案内所は駅構内をそばした
こちらの駐車場側に配置がなされている。
札沼線遠征編2020
滝川駅駅舎とともにシェルターとバス乗り場を撮影したところ。
案内所に一番近いところが3番乗り場。
駅舎出入口を間近にしたところから番号を振っている。
札沼線遠征編2020
滝川駅のバスターミナルの案内板。

全部で4つの乗り場を設けていて
身障者用の駐車スペースと1番乗り場が駅舎出入口付近に。

路線バス乗り場と別に駅から次第に離れるように
タクシー乗り場と一般乗降スペースを配置している。

一番離れたところに短時間駐車場を設けていて
近接して駐輪場が確保されている構造になっていた。

高速バスは栄通りに面したスマイルビル寄り。

ピクトグラムでの案内に加えて
滝川駅と北海道中央バス案内所に対しては
音声案内もできるようになっている。

「強い要望」を掲げている人は
ちゃんと駅前広場の構造や
土地利用を分析されるくらいの姿勢があって然り。
札沼線遠征編2020
あ、ライラックだ!! 789系元スーパー白鳥。
現在は特急「ライラック」として札幌駅〜旭川駅間で活躍中。
7年ぶりに主戦場が変わったところを遭遇したもので
青函トンネル連絡を主としていた時代の印象が強いだけに
非常に変な感じがした。
同時に変わらずに走行している姿に再会できるのは
懐かしい知人に会うようで感慨深い。
札沼線遠征編2020
滝川駅構内にはレッドベアーDF200の牽引する
貨物列車が停車している最中だった。
跨線橋からこれを見ているところになる。
大量輸送の条件を満たすとこの列車の設定ができるわけで
この物流によるコストダウンは直間接問わず、
絶大な恩恵を受けている部分というのは計り知れない。
札沼線遠征編2020
何故か改札外で見かけていた列車に
いつの間にやらホームで対面ができてしまったりするのは
ポイントの切り替えができない状況で
こちらの列車の出発が遅れていたからだった。
復旧にあたられている方々には申し訳ないとはいえ。

フルカラーで行先と列車表示がなされるようになったり
転属にあたってマイナーチェンジが図られており
その示している「ライラック」「札幌」の文字は
非常に新鮮味があった。
札沼線遠征編2020
本当は後続のカムイ20号に乗車するつもりだったのだけれども
思いがけないアクシデントで
ライラック18号に乗車する事ができ、
「スーパー白鳥」時代以来の旅路を共にすることになった。
HEAT789のロゴに代わって沿線をピックアップしたイラストが
車体側面に描かれるようになっており
出会ったこちらは空知地方を表現したものとなっている。

つづく
posted by 小林 慶太 at 23:56| 千葉 ☀| Comment(0) | 旅行編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする